彼岸の彼方から

＊「ネガティブな思考を持つとは、
　   あなたがネガティブな人間であるとか、
　   それによって自分に害を及ぼしているという
　   意味ではありません。
　   それは、あなたが人間であるという意味です。
　   「もしここが天国だったら？」アニータ・ムアジャーニ
                               


ああ、あっという間に立春も過ぎ、彼岸も過ぎて、梅も桃も咲き終わり、桜の季節に突入してしまった。と、毎年のことだけれども、時間の流れに慌てる始末。時間は自分が作っているわけだから、慌てるともっと早くなるのだけれど。。。

今日は今年のお彼岸の霊界からのサインがわかりやすかったので、ちょっとシェアです。

まず、お彼岸中日に父の墓参りのためにお寺に向かって、急ぎ足で歩いていたところ、車道をお寺の方向から、タイでよく見かける三輪タクシー、トゥクトゥクが疾走してきた。運転手以外には誰も乗っていない。
父は、タイで長年仕事をしていて、第二の故郷、というか日本よりも好きだったのではないかというくらい好きであった。病に伏してもずっとタイに戻りたがっていたので、亡くなったときに、これでスピリットになって自由にタイに帰れるね、と思ったほどだった。なので、ああ、父がトゥクトゥクに乗って、お寺までやってきたのだなと思った。

スピリットが墓に住んでいるわけではないのはもちろんだし、スピリットになれば、自分が行きたいと思うところに瞬時に行くことができるので（上に上がっていない、いわゆる成仏していないスピリットは別）何もわざわざトゥクトゥクに乗って来なくてもいいのだけれども、これ見よがしに、わかりやすく乗ってくるあたりが、父だなあと思った。
いくら都心とはいっても、トゥクトゥクはたくさんないし、私がお寺に向かっているときにすれ違うという可能性は相当低い。となるとやはりサインかと。

その後、妹と墓参りを済ませて、ランチをしようと向かったお店は、大行列、すぐに入れるお店は近くのタイ料理レストランであった。そこで、また父を偲びつつ、美味しくランチ。
タイの人がやっているお店らしく、店内には従業員のタイ語が響き、タイ語も堪能であった父が嬉しそうに聞いているだろうなと思った。

その前日は、帰国中の海外在住の友人から、ドイツのアート関係のイベントに行きませんかというお誘いがあった。私は東京滞在中は、いつも予定をぎゅうぎゅうに入れるためにすぐには人には会えないのだけれど、ぽっかりその日の夜の予定が空いていた。
しかも、ドイツと言えば私もご縁があり、敬愛してやまないドイツに長らく住んでいた芸術家で10数年前に若くして他界してしまった懐かしい人の顔がよぎったので、これは行けと言う事だなと思って行くことにした。イベントのメインの講演は終始ドイツ語で、私にはほとんどわからないのだけれど、彼のスピリットが私の耳を通して聞いているに違いないと思って、ドイツ語の響きも懐かしく聞いていた。
終わってから講演者に挨拶に行くと、やはり、彼と縁の深い人で、懐かしい思い出話をすることができた。きっと後輩がどんなふうに頑張っているか、知りたかったのかなと思った。
スピリットになればいつでもどこでも行きたいところに行くことができるが、スピリットとしての感覚だけではなく、縁のある人間の目や耳、五感を通して感じることもでき、その場合は、肉体の感覚を通す分、単にスピリットであるよりも、実感があるのではないかと思う。
例えば、他界した人の家族が旅行に行けば、それはそれで見守ってくれているだろうが、家族が亡くなった方に対して、『一緒に行こうね』という気持ちで行けば、家族の五感を通して、もっと旅行自体を実感として味わうことができるという感じだ。私を通して、彼がそのように感じてくれたなら嬉しいなと思った。

その3日後は、一緒に鍼灸院を営んでいた師匠でもある院長の命日であった。数年前に交通事故で呆気なくあちらの世界に旅立ってしまった。あまりに急な別れであったために私自身ショックは大きかったし、いろいろなことを思い出しながら車に乗っていると、信号で止まったのでふと横をみたら、そこには、当時の鍼灸院と同じ名前のヘアサロンの看板があった。鍼灸院はフェリスという名前だったのだけれど、文字にしたら、FELIZで、スペイン語で幸せの意味。まさにそのFELIZフェリスというヘアサロンであった。
院長がわかってるよ、と言うサインをくれたのかなと思うと涙が出た。

いつも書くことだけれども、どんなに霊界があると知っていても、あの世とこの世の別れはいつも寂しく、後悔がつきまとう。何度経験しても慣れることはない。それでも、あちらの世界の懐かしい人達は、あの手この手で私たちにその存在を知らせてくれる。ちゃんと元気にしているよと、伝えようとしてくれる。

年に2回あるお彼岸は、お盆と共に、あちらの世界とこちらの世界の壁が薄くなる時間なのかもしれない。

あなたの毎日が、スピリットになった懐かしい人や動物との絆を感じることのできる日々となりますように。

霊界に愛と感謝を込めて

May the spirits be with you!
スピリットと共に！

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